人は二足歩行になったことで、今まで肩甲骨が体を支える働きをしていたのですが、その必要がなくなりました。
その代わりに鎖骨が出来て、腕を複雑に動かし、使えるようになったのです。
そこで今回は、腕を自由に動かすことができる仕組みについて話していきたいと思います。
肩は胴体に腕をつなげる骨、靱帯、腱、筋肉で成り立っています。
肩関節にある骨は、鎖骨と肩甲骨、上腕骨です。
腕を動かせるように2つの関節があり、肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節です。
肩が痛いと整形外科を訪れた時に、治療されるのは肩甲上腕関節で、この関節のおかげで頭の上に腕を持っていうことこができるのです。
この関節がスムーズに働かなくなると、腕が上がらなかったりと日常生活に支障が出てしまいます。
肩甲上腕関節は、4つの深層筋が板状の腱板になって、上腕骨と連携しあっています。
腱板はとても薄いので、過剰な負荷がかかったりすると、傷ついてしまい、激しい痛みを生じます。
また、上腕骨の端は丸くなっていて、肩甲骨の端はソケットのように上腕骨の端がにすっぽりとはまる構造になってます。
腕を回したりできるのは、この構造だからできる動きなのですね。
直接骨と骨とがぶつかり合うと擦れて砕けるので、上腕骨と肩甲骨の間には、関節唇と呼ばれる軟骨がクッションの役割をしています。
そして、肩甲骨に上腕骨を引っ張る4つの筋肉のグループ、回旋腱板がついています。
回旋腱板の筋肉は、 肩甲上腕関節を安定させて、腕を回転させる働きを助けるのです。
さてもう一つの関節、肩甲骨の裏側と肋骨の間の関節のことを肩甲胸郭関節と言います。
肩甲胸郭関節は筋肉だけで出来ている関節で、体の関節の中で、この関節だけが持っている特殊な構造だそうです。
肩甲胸郭関節は、関節の位置を知らせる神経がほとんどないので、自分ではどんな動きをしているのか全く自覚できず、位置がずれていたり動かなくなっても気づかないという厄介な場所です。
この関節を作っている筋肉はとても大きな力があり、肩関節をしっかりと支えているのです。
縁の下の力持ち的な存在ですね。
この二つの関節がスムーズに動くことで、体はスムーズに動かすことが出来ます。
人間の体って本当に精巧に作られていて、びっくりしますよね。
今日は少し難しい話になりましたが、詳しく知ることで、自分の体をより細やかに、しっかりとメンテナンスしようと思っていただけると嬉しいです。